
2025年レディースファッションの傾向

2025年のファッション市場の売上情報について、いくつかの予測とトレンドが見られます。
世界のファッション市場
- 市場規模: 2025年の世界のファストアパレル市場規模は1,840億米ドルに達すると予測されています。アパレル市場全体としては、2025年に1兆4,200億米ドルと推定され、2025年〜2030年の年平均成長率(CAGR)は4.63%で成長し、2030年には1兆7,800億米ドルに達すると予測されています。
- 成長分野:
- サステナブルファッション: 2025年から2032年にかけて、世界のサステナブルファッション市場は23.1%のCAGRで成長すると予測されています。
- 中古アパレル市場: 2025年には2,602.4億ドルに達すると予測されており、引き続き成長が見込まれます。
日本のファッション市場
- 回復傾向: コロナ禍の影響で一時的に低迷していたアパレル市場は、行動制限の緩和やオンライン販売の拡大に伴い、回復傾向にあります。2025年頃には、コロナ禍以前の水準にまで回復することが予想されています。
- スポーツアパレル: 2025年のスポーツアパレル国内市場は、前年比103.4%の6,470億9,000万円と予測されています。
- 百貨店: 都心部の百貨店は、円安によるインバウンド需要で引き続き潤うと予測されています。しかし、2025年5月には前年の円安インバウンドの反動もあり、百貨店の免税売上高が3〜4割減少したという情報もあり、インバウンドに偏重しない脱却の必要性も指摘されています。
- 国内主要企業:
- ファーストリテイリング(ユニクロ)は2024年8月期に売上収益が初めて3兆円を突破し、国内と東南アジア・インド・豪州、北米、欧州のユニクロ事業が好調を牽引しています。
- アシックスも時価総額2兆円を突破し、グローバルサウス市場への期待を表明しています。
2025年のファッション消費トレンド
- ECサイトでの購入: 18~49歳の層では、衣類のECサイトでの購入が半数に迫る勢いです。
- 重視される要素:
- 「着心地・肌ざわり」
- 「動きやすさ」
- 「デザイン」
- 「機能性」
- 「コストパフォーマンス」
- サステナビリティ: 衣服の廃棄削減など、環境負荷を考慮したサステナブルなファッションへの関心も高まっていますが、現状の行動との乖離も見られます。
- SNSの影響: Z世代のSNS拡散力が消費に大きな影響を与えています。
- 「得する消費」: 消費者にとっての「お得感」が多様化し、新たな価値観を生み出しています。
- 「時短×楽しさ」: 家事や日常の効率化と楽しさを両立させる商品が注目されています。
- 体験価値: 「物」だけでなく、「体験」を提供する商品が重視される傾向にあります。
- ファッショントレンド (2025-26秋冬予測):
- オーバーサイズオフィススーツ
- クロップド丈ジャケット
- タートルネック&ハイネック
- ミディ丈Aラインスカート
- レース
- デコラティブシューズ
- スポーツMIXルック(ハーフジップなど)
- マキシマリズム(過剰主義)の復活
- ドレス・オーバー・パンツの復活
- 平成に流行した姫系ファッションなど、平成レトロなスタイルも人気を継続。
これらの情報は、2025年のファッション市場が、グローバルな成長、サステナビリティへの意識の高まり、デジタル化の加速、そして消費者の多様なニーズへの対応が鍵となることを示唆しています。
2025年 日本のレディースファッション情報
2025年の日本のレディースファッションに関する情報は、市場規模、消費行動、そしてトレンドの3つの側面から見ることができます。
1. 市場規模と動向
- 回復基調: コロナ禍の影響で一時的に低迷していた日本のウィメンズアパレル市場は、行動制限の緩和やオンライン販売の拡大に伴い、回復傾向にあります。2025年頃には、コロナ禍以前の水準にまで回復することが予想されています。
- 長期的な成長予測: IMARC Groupの予測によると、日本のウィメンズアパレル市場規模は2024年に569億米ドルに達し、2025年から2033年にかけて3.9%の年平均成長率(CAGR)で成長し、2033年には825億米ドルに達すると予測されています。
- 市場拡大の要因: スタイリッシュで機能的な衣料品への需要の高まり、可処分所得の増加、都市化の進展、女性の労働力人口の増加、世界のファッション動向の影響、ファストファッション小売の拡大、快適な着心地を求める高齢化、季節ごとのファッションサイクル、パーソナライズされたショッピング体験を促進するデジタルプラットフォームなどが、日本のウィメンズアパレル市場シェアを拡大する主な要因とされています。
- 課題: 一方で、高齢者のアパレル消費が低いことや、現役世代の消費力減退、購入単価の下落などにより、アパレル市場全体としては2025年には1兆円超縮小して8兆円割れになるという予測もあります。また、中小アパレル企業にとっては、海外ブランドの新規参入やサステナビリティへの対応など、厳しい状況が続く可能性も指摘されています。
2. 消費行動
- ECサイトの利用拡大: 18~49歳の層では、衣類のECサイトでの購入が半数に迫る勢いです。特に18~30代では、事前に実物を確認せずにECサイトで購入する割合も高い傾向が見られます。
- 重視される要素:
- 「楽しい気持ちになれる」: 2025年の女性の買い物における重視点として、これが最も挙げられています。
- 「節約できる・安い」: 物価高を背景に、節約志向も依然として強いです。
- 「安心・安全で間違いのない品質」: 品質への意識も高いです。
- 「着心地・肌ざわり」「動きやすさ」「デザイン」「機能性」「コストパフォーマンス」: これらが衣類購入時の上位5項目として挙げられています。
- 「タイパ(時間対効果)」重視: 働く女性の約7割が「タイパ」を重視しており、効率と実用性を兼ね備えた服選びが増えています。
- サステナビリティへの関心: 衣服の廃棄削減など、環境負荷を考慮したサステナブルなファッションへの関心は高まっていますが、実際の行動との乖離も見られます。
- 世代別の消費傾向:
- プレ社会人層(15~24歳): ファッションや美容、ライブなど、「今しかできない楽しみ」に情熱を注ぐ「今だけの体験」消費が増加。
- 若手シングル層(25~39歳): 自分磨きと趣味を両立し、「一人時間」を充実させるための支出が目立つ。
- 中堅シングル層(40代): 読書や旅行、自宅での時間を楽しむ傾向が強く、洋服などの消費は控えめ。
3. ファッショントレンド
2025年の日本のレディースファッションでは、以下のようなトレンドが見られます。
- カラー: 「ベビーピンク」と「バターイエロー」が注目されています。くすみ感のあるベビーピンクや、肌なじみの良いバターイエローなど、スタイリングが華やぐカラーが人気です。
- トップス:
- デザインポロシャツ: カジュアルながらもデザイン性の高いポロシャツ。
- ロマンティックブラウス: 透け感のある素材やフリル、リボンディテールなど、フェミニンでロマンティックな要素を取り入れたブラウス。
- ティアードTシャツ: 華やかさと体型カバーを両立するティアードデザインのTシャツ。
- ボトムス:
- メンズライクパンツ: ゆったりとしたシルエットやきちんと感を兼ね備えた、メンズライクなパンツ。
- ワイドデニム: 程よいハリ感と美脚効果のあるワイドデニム。
- アウター:
- デニムジャケット: オーバーサイズやヴィンテージ感のある色味のデニムジャケットが引き続き人気。
- 全体的な傾向:
- クワイエットラグジュアリーからマキシマリズムへ: これまでの「クワイエットラグジュアリー(控えめな贅沢)」とは対照的に、大胆な柄や多様なプリント、虹のように色を重ねた「ミキシマリズム(過剰主義)」がトレンドとして浮上しています。異なるモチーフやカラーを組み合わせることで、個性と自己表現を重視する傾向です。
- シースルー・レース・シフォン: 透け感のある素材やレース、シフォンなど、軽やかで女性らしい要素が注目されています。
- 淑女スタイル: ジャケット+スカートのセットアップなど、上品で気品のあるオールドマネースタイルが人気。インナーや小物、タイツでフレッシュなカラーやシアー感をミックスするのがポイントです。
- レザー: 硬質なレザーをあえてエレガントにスタイリングするスタイル。
- ベルテッドシルエット: ウエストマークやベルト使いで、くびれを強調したり、余裕のあるグラマラスな雰囲気を演出するスタイル。
- スポーツMIX: ファッションとスポーツウェアの境界線が曖昧になり、ハーフジップなどのスポーティな要素を取り入れたルック。
- アシメトリー: 片方の足を露出したワンレッグパンツやワンショルダードレスなど、左右非対称なデザインがトレンドに。
- 平成レトロ: 平成に流行した姫系ファッションなど、懐かしさを感じさせるレトロなスタイルも引き続き人気。
これらの情報から、2025年の日本のレディースファッションは、EC市場の拡大とサステナビリティへの意識の高まり、そして個性的で自由なスタイルを追求する動きが強まることが予測されます。
